「車両全損修理時特約」は事故の修理費用が、車両保険価額(時価額・全損となる金額)を超えた場合も超過分修理代が保険金として支払われる特約です。
事故によって自動車やバイクを修理する時には車両保険をかけていれば車両保険から修理代が保険金として支払われます。
しかし、車両保険で支払われる修理代は修理にかかった費用の全額ではなく、車両保険価額(時価額・全損となる金額)が上限となっているため修理や書き換えの時の保険金としては金額が不足することがよくあります。
もし車両保険の保険金の補償額が不足した場合でも、「車両全損修理時特約」をつけていれば不足分は「車両全損修理時特約」の補償の限度額である30万円〜50万円を加算して補償されます。
もし「車両全損修理時特約」を付加していなかった場合は、不足分は自己負担となります。
今乗っている車で事故にあった時は修理して乗り続けることを考えている場合は、つけておいて損はない特約です。
「車両全損修理時特約」の最大のメリットは自己負担なしに車を修理できることです。
車両全損修理時特約の有り無しによる補償内容の違い
「車両全損修理時特約」の有りの場合は、事故の時の修理費用見積り額が車両保険価額(時価額)を超えた場合の全損で、通常超えた分は、自己負担となります。
全損とは修理費が車両保険金額以上になることを言います。
しかし、「車両全損修理時特約」を付帯していると、30万円〜50万円(保険会社によってことなる)までは自己負担せずに「車両全損修理時特約」から補償されます。
また、保険会社によって車両保険の10%を上限としている保険会社もあります。これは実際に無料の一括見積りなどで見積りを取るとどのような補償内容になっているのかがわかります。
(豆知識)自動車事故での全損とは?全損の3つの状態
自動車事故で全損判定がされる状態は以下になります。
どれか1つでも当てはまれば全損扱いとなります。
- 車の修理代が車両保険の保険金額以上になった場合
- 車両が盗難に遭って所有者のもとにない
- 車が修理不可能なくらい破損している
車両全損修理時特約は実際に修理をしないと保険金の支払いはない
「車両全損修理時特約」は実際に修理をしない場合は、保険金を受け取れません。
また以下の内容の場合も保険金を受け取れないとどの保険会社でも約款で決められています。
- 故意による破損や破壊によるもの
- 保険金詐欺や横領によって生じた場合
- 無免許運転であった場合
- 飲酒運転および酒気帯び運転であった場合
- 地震や津波、噴火の天災によって起きた損害の場合
車両全損修理時特約のメリット・デメリット
「車両全損修理時特約」付帯のメリット
- 車の修理代が車両保険の額を超えた場合も自己負担無しで車両保険で修理の保険金が支払われるので自己負担ゼロで修理ができる
「車両全損修理時特約」付帯のデメリット
- 車を実際に修理をしないと保険金が支払われない
- 廃車を選択した場合は「車両全損修理時特約」は利用できない
修理をしないで車両保険+車両全損修理時特約で支払われれる修理見積りの金額分、保険金を受け取っておいて修理をしないということはできません。
また、廃車を選択した場合は、車両保険価額までしか支払われません。
車両全損修理時特約が有効な事故の例
車両保険+車両全損修理時特約の事故ケースその1
たとえば、事故をしてその事故の修理見積り金額が40万円で車両保険価額(時価額)が20万円だったとします。
- 実際に修理をする場合: 車両保険+車両全損修理時特約で40万円の保険金が支払われる
- 廃車にする場合: 車両保険価額の20万円しか支払われない
車両保険+車両全損修理時特約の事故ケースその2
事故をしてその事故の修理見積り金額が70万円で車両保険価額(時価額)が40万円だったとします。
- 実際に修理をする場合: 車両保険+車両全損修理時特約で70万円の保険金が支払われる
- 廃車にする場合: 車両保険価額の40万円しか支払われない
修理見積もり金額が車両保険価格である時価額を下回っている場合は、修理見積り分しか支払われません。
また、修理見積もり金額が車両保険価額(時価額)以下のため車両全損修理時特約は利用されません(利用できません)
車両全損修理時特約を付帯できる条件
「車両全損修理時特約」は車両保険のオプション扱いのような位置づけのため付帯するには次条件があります。次の2つの条件を両方とも満たしている必要があります。
- 車両保険を付帯している事
- 自動車の初年度登録月から25ヶ月以上経過している車であること
自動車の初年度登録月から25ヶ月以上経過している車というのは保険の開始日時点での判断となります。初年度登録からまだ年数が経ってない車は車両保険ので時価額が高いので全損となった場合も、保険会社が払う保険料が増えるからです。
簡単に言ってしまうと、保険会社も営利企業のためリスク回避をしているということです。
車両全損修理時特約を使うと等級はダウンして保険料が上がる?
「車両全損修理時特約」は車両保険での補償額が不足した場合に使う特約です。
車両保険を使う事故は3等級ダウン事故または1等級ダウン事故として扱われるため「車両全損修理時特約」を使う場合は等級は3等級または1等級ダウンし、等級ダウンによる影響と事故有等級による影響で翌年保険料がアップします。
別の言い方をすると「車両全損修理時特約」を使っても使わなくても車両保険を使った時点で3等級ダウン事故または1等級ダウン事故となり保険料が翌年上がります。
等級 | 無事故 | 事故有 |
---|---|---|
1等級 | +64% | |
2等級 | +28% | |
3等級 | +12% | |
4等級 | △2% | |
5等級 | △13% | |
6等級(F) | △19% | |
7等級(F) | △30% | △20% |
8等級 | △40% | △21% |
9等級 | △43% | △22% |
10等級 | △45% | △23% |
11等級 | △47% | △25% |
12等級 | △48% | △27% |
13等級 | △49% | △29% |
14等級 | △50% | △31% |
15等級 | △51% | △33% |
16等級 | △52% | △36% |
17等級 | △53% | △38% |
18等級 | △54% | △40% |
19等級 | △55% | △42% |
20等級 | △63% | △44% |
※表は横スクロールできます
表の「+」は割増を「△」は割引を表しています。事故無等級よりも事故有等級のほうがどの等級でも割引率が大幅に低く設定されているのがわかると思います。
【保存版】自動車保険の等級をリセットする方法と保険料を下げる方法
ノンフリート等級制度の事故内容と等級への影響の詳細
事故の種類 | 事故の内容 | 翌年の等級 |
---|---|---|
3等級ダウン事故 (通常の事故) |
| 3等級ダウン 3年間 事故有等級 |
1等級ダウン事故 (小さい事故) |
| 1等級ダウン 1年間 事故有等級 |
ノーカウント事故 (等級影響なし) |
| 1等級アップ 無事故等級等級影響なし |
しかし、等級がダウンしても保険料を上げたくない場合は、等級や条件が同じでも保険会社によって保険料が違う仕組みを利用して、無料の自動車保険一括見積りを使うことで、保険料を上げることなく修理することが可能です。
一般的に一括見積りを使って安い保険会社に乗り換えると保険料は2割〜5割程度安くなります。特に代理店を使って自動車保険に加入している方は必ず保険料が安くなり、節約効果が高いです。
この理由は保険会社が代理店に対して契約手数料を払っているからです。この手数料は保険加入者の保険料に上乗せされています。
自動車保険の代理店と保険会社の関係と違いまとめ!保険料を安くする方法
しかし、保険加入者は代理店手数料という名目で保険料が計上されているわけではないのでそんなことには気がつくことなく保険料の高い保険会社に加入しています。
車両全損修理時特約に対応している保険会社と保証限度額
「車両全損修理時特約」は多くの保険会社が対応しており、補償の限度額は30万円または50万円です。三井住友海上は「車両全損修理時特約」の限度額は30万円ですが、東京海上日動などの主要な保険会社は「車両全損修理時特約」の限度額は50万円となっています。
保険会社 | 補償限度額 |
---|---|
三井住友海上 | 30万円 |
東京海上日動 | 50万円 |
損保ジャパン日本興亜 | 50万円 |
あいおいニッセイ同和損保 | 30万円 |
富士火災 | 50万円 |
共栄火災 | 50万円 |
セゾン自動車 | 50万円 |
JA共済 | 50万円 |
実際にここで取り上げていない保険会社であってもほとんどの保険会社が「車両全損修理時特約」に対応しています。
車両保険+車両全損修理時特約でも保険料を下げる1つの方法
自動車保険には、多くの保険会社がありますが保険会社によって保険料が違うのは保険会社によって同じ保険の条件や補償内容であっても保険会社によって等級や年齢や、仕様用途や車種に対するリスクの考え方が異なるためです。
実際にどの保険会社の保険料が安いのかかは実際に見積りをとってみないとわかりません。自動車保険の一括サービスは完全無料なので簡単に安い保険料の保険会社を探すことができます。
自動車保険をかけたい自動車の車検証と免許証があれば5分ほどで見積もり結果が算出されて返ってくるので算出された複数の自動車保険会社の保険料を比較して納得いく保険会社で契約することで大幅に保険料を節約でき安心して車にのることができます。絶対に利用したほうがいいです。
無料で使えるので一括見積もりサービスを使わないのはもったいないです。
900万人以上の人が利用して保険料を大幅に安くできている実績があります。ただほとんどの人が知らないで保険会社の言われるがまま契約している人が多いのです。各保険会社の保険料と現在の保険料との比較が簡単に無料でできるのでぜひ一度使ってみてください。